よく子ども達はこんなことを言います。
「がんばってるのに全然できない、自分はやってもだめなんだ」
口には出さなくても、そう思い込んでしまう子も多くいます。
そして、そのほとんどの子は努力することをやめてしまうのです。
しかし、それは非常にもったいないのです。
「グラフ(トップ画参照)を見てみましょう。斜めにまっすぐな線が努力の線で、ぐにゃって曲がっているのが成長の線。
努力を毎日毎日積み重ねたとしても、最初のうちは成長、つまり成果はついてこないんだ。
10の努力をしても成果は2とか3とか。
この辺りでは多くの人が、自分は才能がないんだとか頭がわるいんだとか思う。
そしてがんばることをやめてしまうんだ」
「でも、そこをグッとこらえて努力を続けていくと、ある時急にグググッと力がついてくる。
そしてあっという間に成果が努力を追い抜いていくんだ。
これは本当にあっという間なんだよ。
例えば25メートル泳げるよう練習するとするよね。
大体みんな16メートル辺りで立ってしまう。
何回泳いでも16メートル。
でも16メートルを何十回か繰り返すうちに急にフッと20メートル、25メートルと泳げるようになる」
「10回泳いだから15メートル、20回泳いだから20メートル、30回泳いだから25メートル、というわけじゃあない。
努力は継続的に積み重ねていかなければならないけど、成果は加速度的にやってくる。
これはスポーツはもちろん、楽器の演奏でも、勉強でもみんな同じ。
毎日努力していると、ある日突然できるようになるんだ。
だから成果がすぐにでないからって、努力する事をやめちゃいけない。
もう少しで成果がググッと出てくるところまできているのかもしれないのに、
いまあきらめたらそれまでの努力が全部無駄になってしまうんだよ。」
毎日努力すればそれに比例して上達していく、と考えている子どもはかなり多くいます。
しかし、これは事実ではありません。
努力はコツコツと貯めていくもので、上達は突如飛躍的に訪れるものなのです。
子どもに対して「頑張れ、頑張れ!」と励まし続けるのは親や教師の大切な仕事です。
ただ、それだけでは子どもはあせりや不安を感じることがあります。
「頑張っているのにあまり上達しない、自分は他の人より劣っているのではないか」
と自分で自分を追い詰めてしまうのです。
そのような時に「努力は継続的に積み重ね、成果は飛躍的に訪れる」という話を聞くと、
子どもはかなり楽になります。
そして努力を続けられるようになります。
なぜなら、先が全く見えない状態での努力は長続きしませんが、
先の見通しが示されている努力であれば持続することができるからです。